「魂を抱きしめてー桜子(下巻)」
著者:吾意在野游 著
女性が一生働くことが難しかった時代に、入院、転職、ドイツ留学、挫折を経ながら、まっすぐな志を持って働き続け、最後は外資系企業のトップになった冬野咲(トウノサキ)の半生。働く女性にとって勇気が出る本である。恋愛と仕事という経糸(たていと)に女性の生き方、死、時、和歌、茶道、文楽、ヘッセとシュトルム、宗教、戦争などの緯度(よこいと)が織り込まれている。日本が好きで、母校が好きで、関西弁が好きで、そして何よりも花が好きな著者は相当欲張りな織子(おりこ)である。