「怒り獅子大塩平八郎」
著者:矢文高 著
不正に怒りを感じなくなった国は亡びる。
民は国の礎。米価の値上がりで大坂の町に餓死者が続出した。
金儲けしか頭にない米商人どもは夜になると色町で豪遊を重ねる。
幕臣どもは徳川の安泰と自己の栄達しか頭になく餓死する民を救う手立てを考えない。
王朝も鎌倉も室町も、そして徳川時代も、末世になると無能の輩の天下に変じる。
人々は忍耐に忍耐を重ねた。
そして激怒した。
だが、激怒しただけで状況は変わらない。
大塩は自己の命と一族の門弟たちの命をかけて抗議の蜂起・・・そして玉砕。
無謀は承知の上、大塩にとって理不尽は断じて許せなかった。