「皇位の呪縛」
著者:原田隆之 著
知られざる北朝内部の皇位争奪戦
あさましき人間の業を活写!
「交互に帝位を」…南北朝合一の約を破った北朝。
その北朝の内部に、またも
後光巌院流と崇光院流の対立が発生。
皇位をめぐって凄まじい暗闘に−。
民の幸せを忘れて狂奔する上皇・主上・公家。
「御所は魔人の巣」と人々は呼んだ。闇を縫う忍者の死闘。
若き日、弟の治仁を殺して帝位をうかがった
崇光院流伏見宮貞成は
愛児彦仁の皇位着任を前に、刺客の愛児に及ぶのを恐れる。
「我の如き大義なく徳なき人物に皇位を与えてはならない」
老成に至って貞成は悟る。