「竜の夢 尼子経久」
著者:神川武利 著
早雲に先立つ五年。戦国大名第一号の怒りの剣。
近江源氏佐々木の系譜。出雲月山富田城に生まれた経久は大陸交易に一攫千金をねらって破産。城を追われ土工・鉱夫に落ちぶれ、そこではじめて将軍・守護の正体を知る。民の苦をよそに栄華にふけり収奪のみで民を救う意志も能力もない。怒りに燃える経久は「大国主命の志を継ぎ民の楽土をわが手でつくる」と決意。女色に狂う富田城主塩治掃部助を正月の祝いに奇襲して奪還。砂鉄産業を興し一夜にして強国に変身。
智と威を武器に血を流さず近隣を制圧。遂に十一ヵ国二百万石の大王国の夢を—。
毛利元就の生きた師。恋と熱血の長編歴史小説。